「従来型BIツールの課題を解決できる新世代のBIソリューション」セミナーに参加して

ECコンサルタントの玉井友里です。

2015年3月18日にSAS Institute Japan株式会社様主催のセミナー従来型BIツールの課題を解決できる新世代のBIソリューションに参加してきました。

本セミナーのメイントピックは、SAS Visual Analyticsというデータ分析ツールの紹介です。

一般的にBI(Business Intelligence)ツールと呼ばれるものの一つで、データをビジュアル化し、誰でも様々な視点で自由に分析が出来ます。

企業でBIを利用している人や、これから利用しようとしている人を対象としたセミナーで、新世代のBIソリューションをどのように活用できるかをあらためて考えさせられる大変興味深い内容でした。

 

今回は、従来のBIツールの課題点や、SAS Visual Analyticsの概要、活用事例を解説いただきましたのでご紹介します。

 

従来のBIツールの課題点

 

まずツールの紹介に先立って、従来のBIツールの課題点が上げられました。

 

・専門知識が無くても誰でも簡単に使えることを謳っているが、実際には決して簡単ではない

・BIツールで抽出したデータを結局エクセルで出力するなど、データ抽出ツールに成り下がっている

・多機能でも使い勝手が悪く、結局定型レポートの参照にしか利用していない

・データ検索パフォーマンスが遅い

・タイムリーな情報活用・分析には至っていない

・IT部門の負荷が大きい

 

WEB解析を行う場合、結果をまとめるレポートが必要ですが、BIツールが抽出したデータをそのままレポートに使えないと二度手間になってしまいます。

無限にデータを組み合わせて分析を行うことが出来るのに、定型レポートだけしか参照しないのももったいないと感じています。

また大企業の膨大なデータはどうしても重くなり、遅いと感じてしまう点は私も大変共感するところでした。

 

将来予測も可能にする次世代型ツール SAS Visual Analytics

 

 いよいよ将来予測も可能にする次世代型ツール SAS Visual Analyticsについてのご紹介です。

セミナーでは実際にデモも交えながら、本製品を使って何が出来るのか説明いただきました。

コンポーネントには、分析用のデータの準備、データ探索、レポートの作成などの機能が備わっています。

 

SAS Visual Analytics 主な機能は、

<データ探索>

・調べたい項目をリストから選び、チャートを作成

・チャートの種類は棒、折れ線、箱ひげ図、バブルなど多様

 ・項目を選択するだけで最適なチャートの種類を自動で選択してグラフ化

・グラフを自分でカスタムすることも可能

 

<統計解析>

・統計解析機能が備わっており、相関分析、多項回帰なども可能

・統計知識が無くても簡単に統計分析が行える仕様

 

<将来値の予測> 

・過去の売上データをモデル化し、将来の売上を予測

・将来の売り上げ目標を達成するためにはどの要因を改善すれば良いのかをリサーチ

 

<レポートの作成>

・分析者はダッシュボードをデザインし、レポート化

・作成されたレポートをユーザーに閲覧させることが可能

・レポートはタブレットやモバイルデバイスからも閲覧可能

 

チャート作成の機能は大抵の分析ツールに備わっていますが、このツールは項目を選択するだけで最適なチャートの種類を自動で選択してくれます。このような機能は他のツールでも見たことがなく、大変興味深い内容でした。

私が現在使っているツールはグラフ作成などがドラッグ&ドロップではないため、手間がかかっていますが、このツールでは基本的にドラッグ&ドロップで操作可能な点も、ストレスなく操作が出来ます。

データ分析では、見た目に表れる傾向が実際に意味のあるものなのかどうかを判定することが必要ですので、各種の統計解析が簡単に出来る点も魅力に感じました。

将来を予測し、それに応じた対策を立てることができれば最強です。将来値の予測はもっとも重要な特徴と感じました。 

 

活用事例

セミナー中では様々な企業や学校での活用事例が紹介されました。

様々な業種のビッグデータ活用が想定されており、ECであれば

「ネット上で日々発生する大量のWebログデータを大量の購買履歴データと掛け合わせ、解析し、顧客行動や嗜好の傾向を捉え、素早くサイトコンテンツを調整する」

という活用例が想定されています。

面白い活用例としては、テキストマイニングでネット上の口コミを分析し、口コミの内容と売上の関係を示したものもありました。

 

今後想定される情報活用ロードマップは、このように説明されています。

過去の見える化(定型)→過去の見える化(非定形)→データ探索 仮説発見→高度な分析(統計分析、時系列予測、データマイニング、最適化)

 

まとめ

本セミナーの要点

・従来のBIツールは使い勝手が難しく、データを活用しきれていないことが課題だった

・SAS Visual Analyticsはデータを高速で処理し、簡単な操作でビジュアル化する

・SAS Visual Analyticsは誰でも簡単に統計解析を行うことが出来る

・SAS Visual Analyticsは将来値の予測が可能

・SAS Visual Analyticsは結果をレポート化し、モバイル環境でも閲覧可能

・すでに金融機関、企業、官公庁、学校などで導入されており、業種業態を問わず活用できる

 

私が目指しているのは、ユーザー視点で最強のECサイトを作ることです。

そのためには将来を予測し、目標達成のためにどの要因をどれだけ改善すれば良いのか見出す必要があります。

 

そのためには、まず様々なユーザーデータ、アクセスデータ、購買データ、更に外部要因のデータも加え、過去のデータから売上モデルを作るなど、様々な組み合わせを試してみたいと思っています。定型レポートでは見えてこない意外な因子の関連が見えてくるかもしれません。

 


< セッション概要>

・SAS会社紹介

・予見力とHPA(SAS High-performance Analytics)

・SAS Visual Analyticsのご紹介

・SAS Visual Analyticsデモ

・分析ライフサイクルとHPA

・SAS Visual Analytics導入事例